外国債券投資における為替ヘッジの有効性を見直そうと思った件

「外国債券・外国株式への投資に為替ヘッジは必要なのか?」

私はこれまで「ヘッジコストがかかるのが嫌だ」というたった1つの理由で、ほとんど盲目的に「ヘッジなし」の投資信託を使ってきました。ところが最近、外国債券に限っては「為替ヘッジあり」も捨てたものじゃないな、と思える面白い報告書を発見しました。

きっかけは楽天・インデックス・バランス・ファンド

きっかけは楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)への投資を検討したこと。

このファンド、たった0.2446%の信託報酬で「全世界株+全世界債券」へのほったらかし投資が可能な、非常に魅力的な商品なんですが、債券への投資分については為替ヘッジがかかっているんです。

そこで、念のため外国債券投資における為替ヘッジの有効性について改めて調べてみることに…

そんな時に出会ったのが、三菱UFJ信託銀行株式会社受託財産企画部が編集発行した報告書。その名も「年金ポートフォリオにおける為替リスク管理の考え方」 です。

報告書の要約

要点①:為替要因は外国債券のリスクに強い影響を与える

2000年度~2014年度の期間中、シティ世界国債インデックス(除く日本)のリターン・リスクを、為替要因と債券要因に分解して分析した結果が下の円グラフです。

MSCI KOKUSAIで同様の分析をした結果が下の円グラフです。

為替要因(円グラフの赤い部分)に注目です。

為替要因が外国債券のリスクに特に大きな影響を与えていることが分かります。一方で、外国株式では、リターン・リスクの両方で為替要因が与える影響は限定的です。

外国債券への投資において、為替ヘッジを行うことでリスク水準を効果的に下げられる可能性が高い

要点②:外国債券+部分ヘッジ⇒運用効率向上

2000年度~2014年度の期間中、シティ世界国債インデックス(除く日本)において為替ヘッジの割合別にリスクあたりリターンを分析した結果が下の図です。

リスクあたりリターン(オレンジの線)に注目すると、7割~8割程度の部分ヘッジで最も運用効率が高くなっています。

外国債券投資において、7割~8割程度の部分ヘッジをかけることにより運用効率を向上させられる可能性が高い

一方、純粋なリターンではヘッジコストがかからない分だけヘッジ無しが一番優秀なんですよね(ただし、リスクも最大)。

債券投資といえど敢えてリターンを追求するのか、リスクあたりのリターンを重視するのか…。悩ましい問題ですね。

要点③:ヘッジあり外債と国内外株はマイナス相関

外国債券(ヘッジなし)・ヘッジ付外債と国内外株式の相関係数は下の表のとおりです。

外国債券(ヘッジなし)は国内外株式と正の相関(青い四角)、一方でヘッジ付外債は国内外株式と負の相関(赤い四角)があります。

ポートフォリオに債券を組み込む目的はいくつか考えられますが、株と組み合わせて債券を保有することでリスク水準を下げることを目的としているならば、国内外株と負の相関があるヘッジ付外債が効果的ということになります。

国内外株式と組み合わせて外国債券を保有する場合、ヘッジ付の方がリスク水準を効果的に下げられる可能性が高い

それでも気になるヘッジコスト

海外債券に為替ヘッジをかけることで効果的にリスク水準を下げることができるらしいことは分かっても、やっぱり気になるのがヘッジコスト。日本円の超低金利が続き、欧米各国の利上げが順調に進めば、ますますヘッジコストがかさむことになります。

結局のところは、ヘッジありにしろヘッジなしにしろ、自分なりに納得できる理由を見つけて投資を続けることに尽きるのかもしれません。